医療コラム
黒川先生からのご挨拶&医療コラム「なぜ梅毒の検査は2種類なのか」
安倍先生がハノイの長い勤務を終え帰国されまして、後任を勤めることになりました 黒川剛生といいます。
ハノイの暑さにも大きなゴキ ブリにも負けず、 医 療的な面から長く患者 様のサポートをできたら良いなと思っております。
それと同時にこのコラムも引き継がせていただきますのでよろしくお願いいたします。
今回はなぜ梅毒検査がRPRとTPHAの2種類あるかについて説明させていただきます。梅毒は性行為や血液に汚染されたりすると感染します。感染源に曝露されたり、入院や出産の際に検査をすることがあります。定期検査に含まれることもありますね。
両方とも梅毒の検査なのですが役割が違います。
TPHAは梅毒に感染した四週間後から陽性になります。特異度が高く梅毒以外ではほとんど陽性になりません。しかし梅毒を治療した後もずっとこの検査は陽性になることがあります。
RPRは梅毒に感染した二週間後から陽性になります。自己免疫疾患など他の病気でも陽性になることがあります。梅毒を治療した後はこの値が小さくなります。
TPHAとRPRが同時に陽性になることによって現在梅毒にかかっていることを確認し、治療が効いてることをRPRの値が下がっていくことにより治療が効いていることを確認します。
梅毒は粘膜や性器周辺に潰瘍などができることも多いですが段階により様々な症状があり、また無症状なこともあります。
梅毒は比較的抗生剤の治療が効きやすい病原菌であります。検査の希望がありましたらお気軽にご相談ください。