医療コラム
子宮頸がんって??(2021年9月30日更新)BY黒川先生
子宮頸がんは若者のがん?
子宮頸がんはその名のとおり子宮頸部のがんです。赤ちゃんができる部屋の子宮は逆の円錐状になっておりその下の細くなっているところが子宮頸部です。
日本では、毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3000人が死亡しており、現在患者数も死亡率も増加しています。また子宮頸がんは20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。
約70人に一人が子宮頸がんになり、現役世代が多いベトナム在住の日本人にとっては比較的関係のあるがんとなります。
子宮頸がんの原因のほとんどはヒトパピローマウィルスというウィルスで、性交渉によってうつります。感染してもほとんどの人は症状がないですが、一部のウィルス感染ががんを引き起こします。
ヒトパピローマウィルスにはワクチンがあり、8割前後の子宮頸がんを予防します。まだ受けてない人はワクチン接種した方が良いでしょう。ヒトパピローマウィルスは肛門がんや咽頭がんの原因となるため男性にも子宮頸がんウィルスワクチンの予防接種が推奨される国もあります。
ワクチンは大事ですが完全に病気を防ぐ訳ではないので2年に1度、子宮頸がん検診を受けてください。子宮頸がんの初期は症状が出ないため、がんが進行しないと本人は気づかないことが多いです。
検診は一般的にお腹を触って子宮や卵巣の大きさを確認したり、器具を使用して女性器の内部を診察します。綿棒やブラシなどで子宮頸部の細胞をとってがん細胞がになっていないか顕微鏡で確認します。痛そうですが、細胞を取るのは1分程度で終わり強い痛みを感じることはほとんどありません。
子宮頸がんは若い人がなりやすいがんです。入院や手術、不妊や死亡を減らすためにワクチン、検診をぜひご利用ください。
※2022年3月現在、HPVワクチン、ガーダシル4価を取り扱っております。