医療コラム
「内臓はなかなか見えないぞう」(2021年10月19日更新)BY黒川先生
今年もあと約二ヶ月となりました。今年の健康診断はおすみでしょうか。
当院での消化管系の健康診断では➀便潜血検査、②ペプシノゲン検査、③内視鏡検査とあります。
➀便鮮血検査は消化管からの出血の有無がわかります。
②ペプシノゲン検査はペプシノゲン1、2のバランスなどを見て胃炎、胃がんのリスクが高いか検査します。
両方とも簡便な検査ですが、これで引っかかってしまうと消化管カメラをお勧めしますので健康診断に含まれる場合最初から消化管カメラをやってしますのも良いかと思います。
③ 内視鏡検査 消化管カメラはCTと違い被曝しません。
超音波と違ってカラーで消化管の粘膜そのものが見えます。
デメリットとして検査がとても苦しいことです。口や鼻、肛門などから管を突っ込まれるため検査中はやはり辛いと思います。消化管の中も綺麗にしなければならないため食事も抜かなければなりません。
胃の検診方法は胃カメラの他にバリウムを使用したレントゲンもありますのでそちらの方が良い患者様もいるとは思います。
それでもバリウムレントゲンでの胃の検査は薄い病変は見逃します。胃がんでも初期は平坦なことがあるので自分がやるなら胃カメラを選択します。
ちなみに胃カメラでの胃がんの発見率は大体0.5%くらいです。胃がんは日本人に多く、胃カメラで見つかることが多いです。昔は胃がんでの死亡率は高かったですが近年検査や治療技術の向上により死ぬことが少なくなってきております。消化管カメラは苦しいですがその苦しさ以上にメリットがある検査です。
中年以降は1〜2年に一度検査をすることをお勧めしております。