医療コラム
「熱中症~心を燃やせ、体は涼しく」BY黒川先生
みなさん、こんにちは。ハノイの夏は暑いですね。昨年も暑かったんでしょうけどロックダウンだったものでさほど季節や南国を感じることなく季節は過ぎ去ってしまいました。今年は色々スポーツや行楽など楽しんで行きたいですね。
日本でもこの時期多くなる病気が熱中症です。熱中症は救急車で搬送されてくることも多く死亡することもある怖い病気ですが多くの場合は予防可能です。
通常、私たちの体は多少周りの気温が変化しても汗や代謝、皮膚からの放熱を利用してある程度体温を一定にするようになっています。それがうまくいかず熱が体にこもり体温が上がってしまうと熱中症になってしまします。
ではどのような時に体温調節がうまくいかず熱中症になるかというと、原因は大きく三つに分けられます。
一つ目は環境です。気温や湿度が高かったり、日差しが強いことで体温は上がります。風が弱い日や締め切った室内だと皮膚からの放熱もうまく行かず、熱中症のリスクになります。
二つ目は体の問題があります。高齢者や乳幼児、持病のある人などは体温の調節能力が弱いです。健康な人でも感染症にかかっていたり、寝不足、アルコール摂取などで脱水が起こり熱中症にかかりやすくなります。
三つ目は行動が原因となります。激しい運動や長時間の労働をすることで大量の発汗が起こり、疲労も溜まることで熱中症を起こします。慣れない暑さであれば尚更です。
熱中症対策としては涼しい服装をしてください。綿や麻などの通気性のいい素材のものが過ごしやすいと思います。長時間、日光や高温にさらされないようにしましょう。そのような条件での活動時は十分に気をつけて、水分と塩分を十分に摂ってください。水分は飲むことや発汗で体温を下げてくれます。汗から失ったミネラルを塩分で補充してください。体が弱い人、体調が悪い人はなおのこと熱中症に気をつけてください。熱中症は立ちくらみ、嘔気などさまざまな症状が出ますが、体温を下げるのに濡れタオルや水風呂なども役に立ちます。症状がひどく水分が取れない場合は点滴が必要であるので来院したり、救急車を呼んでください。
日本でも今年は暑いみたいですね、慣れない暑さに負けないように水分は十分取り高温での活動時間は短くしましょう。
Written by Dr Kurokawa 2022.7.6