医療コラム
「コロナの後遺症かも!?」と思ったら読みましょう BY久保先生
みなさんこんにちは、さくらクリニックの医師の久保です。
コロナ陽性になられた方、すなわちF0になられた方も減ってきて落ち着いてきたハノイですが、回復されてからも咳が続く・調子が悪いといった訴えをされる方もいらっしゃいます。こんなとき、コロナの後遺症なのか?!と思うかもしれません。ただ、胸が苦しい、だるい、疲れやすいなどという方はすぐにコロナのせい‼️と考えずにまずはご相談していだきたいと思います。多くの症状は、すぐにコロナ特有の後遺症とは言えないからです。
すぐに後遺症と決めつけてはいけない理由はいくつかあります。コロナでなくても風邪の後に不調を訴える方はいらっしゃいますし、F0では1週間以上自宅隔離にて過ごしている事を考えると体力低下は著しいと考えるべきであって、それがコロナウイルスでなくても生じる可能性があるからです。疲れやすくなるのは皆様あり得る話だと思ってください。
人は1日寝たきりになるだけで筋力が3%前後落ちると言われています。家や部屋からまったく出ずに臥床メインで1日を過ごすことだけで体力低下はおきてしまうということです。
別の言い方をすると、人間は1週間の絶対安静で1割以上の筋力がなくなると言われています。また体力低下を回復するのには、安静にしていた期間よりも長いリハビリ期間が必要といわれています。
期間は2週間と長いですが、20代の若者であっても安静にしていると筋力低下著しいという報告もあります。
つまり疲れやすいのは本当にCOVIDのせいなのか、単なる体力低下なのかわからないのに決めつけるのは完全なるミスジャッジなわけで、これらの見極めが必要です。
F0から回復され症状も落ち着いているのに、体力落ちたなぁと思ったらまず必要なのは運動習慣の改善かもしれませんので。
咳の残存は『遷延性咳嗽』という疾患名がついているほど感染症の後にはたまに見られる現象です。
多くの場合1ヶ月から2ヶ月程度で改善しますが、一部は肺炎や喘息などといった他の病気だったりするケースもあるため、気になる場合はご相談ください。ただ、おタバコを吸われているのに、「咳が止まらない」とおっしゃっる方がいらっしゃいますが、残念ながらそれはタバコの悪影響があり得ます。タバコをやめてから考えましょう・・・。
もし胸痛が出たりした場合は、かなり頻度は低いとはいえ心臓の検査もした方が良いかもしれませんので、ご相談ください。息苦しさが続くのも不安になると思いますので、お早目にご相談いただければとおもいます。
いずれにせよ『このくらい大丈夫』と思っていても良くないものかもしれませんし、『コロナのせいだ!』と決めつけるのも危険です。これらの分野はまだまだ分かっていないことが多く、情報がまだまだ錯綜していますので騙されないにしてください。心因性の要因で症状が出ているだけのケースがあるとの報告もなされています。
後遺症という言葉が一人歩きしていますが、まずは悩まずお困りでしたら遠慮なくお気軽に受診ください。
参考文献;
written by Dr Kubo2022.4.19