医療コラム
「アトピーとベトナム」BY黒川先生
日本の花といえばさくらですが、ベトナムの花は蓮根の花です。そろそろシーズンらしくクリニックの前の湖でも蓮の花や蕾と共に自撮りしているベトナム人がちらほら見えるようになりました。そして自撮りといえば当院もinstagramを始めることにしました。
さくらクリニック instagram ⇒
https://www.instagram.com/sakuraclinichanoi/
インスタ映えする写真を撮りに行きたいんですが中々天候に恵まれず、始めたばかりなのにInstagramのネタがありません。Instagramも天候に左右されますが、皮膚、呼吸器などのいろいろな疾患も天候によって左右されます。今回はその中でもアトピーについて書いていきたいと思います。
アトピーは皮膚が赤くなって痒みが出てきて、よくなったり悪くなったりを繰り返す病気です。治療としてはステロイド軟膏や皮膚の保湿剤、抗ヒスタミン薬などをよく使いますが最近は新しく生物学的製剤なども出てきて昔より治療の幅が増えております。
細かいことを書くとキリがないアトピーなのでハノイの生活の中で気をつけることをあげていきます。まず湿度です。乾燥しすぎも良くありませんがじっとりしすぎもアトピーに良くありません。ハノイの湿度は80%前後ですが、アトピーが悪化するのであれば除湿機など使用して部屋の湿度50%前後にしてみましょう。湿度が高いとカビなどが生えやすくなりますので洗濯物の部屋干しは極力避けて、換気をまめにしましょう。
ダニやペットの毛なども悪化の原因になります。Tシャツなどの洋服、布団などはまめに掃除をして清潔に保ちましょう。もちろん体も清潔に保ちましょう。汗が悪化の原因になることもあるので、汗をかいたらぬるめのシャワーで汗を流しましょう。熱すぎるシャワーは皮膚の刺激になってしまいます。石鹸で体を何度も洗うと皮膚が薄くなるので石鹸で洗うのは一日一回までにしてください。またタオルなどで体を拭くときも体を擦らず、軽く押す感じで水分をとってください。ワセリンやベビーオイルなど保湿効果だけの軟膏は1日に何度使用しても良いので皮膚がカサカサする場合は風呂上がりに塗ってください。ステロイドなど病院から処方された薬は指定された用法、回数を守ってください。
コロナによって妨げられていた往来も再開し、新たにベトナムに来られた方も多いと思います。住む場所、仕事内容が変わってしまうとアトピー含め持病を悪化させてしまう方も多いです。無理をせず少しずつ周りの環境に慣れていきましょう。
Written by Dr Kurokawa 2022.5.26